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黄金のリンゴに登場する伝説の果物。 一口かじればどんな願いでも叶うといわれている。 ネームレスなら喉から手が出るほど欲しくなるであろうアイテム。 これで正体もすぐ分かるぜ! しかし主人公達はこれを使わず自分たちの手で正体を求めることを選んだ。 ばちあたりな。 後のレイド見解によると「ネームレスは安易に使うべきではない」とのこと。 元ネタの絵本を読む限り、効果はあくまでもかじった本人の精神構造の変化であるためらしい。 つまりネームレスがかじるとマリスになったり欠片強盗になったり正体を取り戻す願望がうせたりするリスクがあるのだ。 個人の見解による仮説に過ぎないため真偽は定かではないが、ありえない話ではなく、触らぬ神にたたりなしだ。 まさに禁断の果実というところ。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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メニュー 関連人物別索引 黄金の三つの貌 黄金の三つの貌 分類 名称 攻略アイテム 自責の聖傷 攻略アイテム 改悛の聖傷 攻略アイテム 悔恨の聖傷 イベント_本編関連1 黄金の三つの貌_一度目 イベント_本編関連1 デオグラシアス_一体目ボス撃破 イベント_本編関連1 黄金の三つの貌_二度目 イベント_本編関連1 デオグラシアス_二体目ボス撃破 イベント_本編関連1 黄金の三つの貌_三度目 イベント_本編関連1 デオグラシアス_三体目ボス撃破 遺体の声 遺体000_焦貌の聖女修道院_1? 「黄金の三つの貌」ページコメント 名前 コメント 【例】コメントはこのように表示されます。コメントの際は >雑談・考察・質問等ページ「基本ルール」 をご確認の上、節度あるご利用をお願いいたします。 -- 【例】名前(任意) (2022-10-05 18 09 23)
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公開マイリスト利用法 例えば動画を見ていてお気に入りの動画を見つけたとします。 その時にこんな感じの動画は他に無いかなって思いませんか? その方法として同じ作者の動画を作者のマイリストから見るのも一つの手です。 他にこれから紹介する方法があります。 それが公開マイリストを使用した方法です。 気づいてない方がおられるかもしれませんが、ニコニコ動画には下の画像の赤丸のような部分があります。投稿者コメントとタグの間の辺りですね。 (2008年12月の時点ですのでニコニコ動画のバージョンアップによって変わる可能性あり) ※投稿者コメントを表示していない方はさらに下に書いているので、それを見て 表示してください。 この赤丸の部分をクリックすると、この動画を登録している公開マイリストがすべて出てきます。 (ただし動画の投稿直後やマイリストに登録した直後は反映されておらずしばらく時間がかかります。未確認ですが、投稿翌日の朝、マイリスト登録の翌日朝くらいではないかと思います。) この一覧から自分の趣味に合いそうなマイリストを探すことで、似たような動画を探すことができるのではないかと思います。 ただ見つけられない可能性ももちろんありますよ。 投稿者コメント表示方法 ニコニコ動画の投稿者コメントを表示していない方は、表示することをお勧め します。 この欄に投稿者による動画の説明などが書かれていますので。 下の画像の赤丸どちらかをクリックしてみてください
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草案 登場人物 カラカラ:瀬戸原春樹 幼い時に母を亡くしたので ドレディア:御堂東雲 お嬢様であることを隠しているので ザシアン:耒田祐衣 特攻は全振りしないこと ザマゼンダ:耒田美羽 祐衣の妹なんで コバルオン:金矢真奈美 ノズパス:桑坂夏実 使い手のツツジとの教師繋がり -- (ユリス) 2020-05-05 19 04 12
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「どうぞ、先生」 「誰が先生だ」 勧められた杯を退ける。蜜月通りの運河に浮かぶ船の酒屋。約束通り自警団のごろつきと何かしらの交渉の後、夜半に二人は釈放された。即座にこんな通りを立ち去りたかったが、一応恩人の少女ザナに強引に「顔見知りの酒場」とやらに連れ込まれた。 「あのな、言いたくはないが俺は今塔の導師じゃない。ただの無職だ。……魔法だって使えない」 「それでも、魔法を教えて下さい。それなら出来るでしょう。立派な術師になりたいんだ」 「じゃあ人体爆散魔術を教えてやる。『爆ぜる音、肉の筋、蒸発と圧壊、鼓動と虚無と鎖骨と鋼、腸よりも長い死、かの者に至れ』と死ねばいいのにという思いを込めながら唱えて対象に手を向けろ」 「先生、わたしは、本当に魔術を学びたいんだよ」 「塔で学べ」 「はっ。私のような者は門に近づいただけで焼き殺されますよ」 一瞬、作っていた恭しい態度が消えて鼻で笑う。あわてて「いえ、決して塔を悪く言ったつもりじゃないんですけど……」 「いや。そんなもんだろう」 才能あるもの誰にでも開かれた魔術の拠点。そうは言うが、実際にはその開かれた門に誰にでもたどりつけるわけではない。才能がある、ということを証明するだけでも市の勤め人にとってはなかなかに荷重な投資を迫られる。この辺の住人にとっては試験を受ける基礎教育だけでも受けられないだろう。 「俺とて幸運だっただけだからな」 ラザロ個人は幼いうちに旅の術師に才能を見いだされ塔に連れてこられた。今は蓬莱の学園で教鞭を執っているという恩人のことをふと思う。今の姿は見せられたものではない。 「だから先生。先生のような人に会えたのは一生に一度のチャンス。先生、私に才能があると思いますか」 「俺が知るか」 ラザロは少女の必死の願いを一言で切り捨てる。魔術の才能、など聞きたくない言葉でしかない。 「私の父は凄い術師でした。母さんに聞いただけですけど。きっと私も才能があると思うんです。だから」 「ふん。凄い術師、ね。名前は何と言う」 「…………知りません」 ああ。この辺の安娼婦の娘かと合点が行く。学院の学生どもで悪い遊びに手を出す連中もいる。おそらくそいつらがあることないこと自慢話を吹きこんで、それを母親から聞いて真に受けているんだろう。馬鹿のボンクラの落とし種か。 「でも!私の名前は偉い魔女の名前から取ったんですよ。父が残してくれた名前なんだって」 「ザナ。どんなふうに綴る?」 「えーと、あのバツみたいなのから」 「Xana? “虹の塔”のザナフィアか」 「そう。凄い魔女だと」 「凄いは凄いが。塔を建てた魔女だ」 だが、最後には自分の建てた塔の導師達を敵に回して滅びた魔女。まともに塔で学んだ者なら娘に贈る名前にはしないだろう。これも母親が聞きかじりで付けたに違いない。 馬鹿げている。こんな箒みたいなひょろ長いもぐり酒売りに魔術教えてスラムで暮せというのか。 「借りを返せなくて悪いが、これ以上この街にいたら俺は怒りで腐ってしまう。故郷に帰ることにした」 俺はもう駄目だ。あまりに憎み過ぎ、それを果たす手段は何一つない。あの追剥は確実にラザロの何かをへし折った。 「そうだな、これを」 ラザロは懐から辛うじて無事だった紙とペンを取り出しでさらさらと一通の手紙を書く。親愛なるハルトマン、から始まり貴君の忠実な友ラザロ、で締めくくる。 「紹介状だ。これを持っていけば試験くらいはしてくれる……と思う。今の俺よりは役に立つだろう。これで借りを返したことにしてくれ。じゃあな」 深夜の蜜月通り。地方行きの乗り合い馬車の付く通りに向かってラザロは歩を進める。 「…………なぜ付いてくる」 「先生。無理だよ。紹介状持ってたって私のようなのをまともに相手にしてくれるヤツなんかいない」 まあそうだろうな。仮に何かの間違いで才能に恵まれていて試験を突破したとしても、そこから先塔で学ぶための学費はどうするか、貧民窟育ちが塔で学んでいけるのか。まあ無理だ、とは塔で長く生活したラザロの経験上の結論だ。幼年以来の叩き上げかきちんと経済基盤が外にある入学組が塔の主流なのだ。 「だから俺か。無理な話だ」 「頼むよ。住むところは私が用意する。食事も服も。あんまり稼ぎはないけれど、魔術士になれるなら全部払ってもいい。だから」 「それこそ冗談じゃない」 「でもどうやって故郷に帰るのさ。その間の食べ物は?」 「…………」 「パンに困ったことが無いんだね」 確かに塔では食い物に困ることは一度もなかった。それ以前は?もう実感としては覚えていない。だからラザロはもう答えずに歩く。 大股で歩くラザロに、肩を落としながらザナはどこまでも付いてくる。やがてうらぶれた小さな広場に出た。乗合馬車の待合場所だが、裏通りと表通りの境の倉庫地帯で夜には人通りは絶えている。 ラザロは五〇年前の娼館経営者である小男の銅像前の木箱に腰掛けた。ベンチのような気の利いたものはここいらにはない。朝まで待つつもりのラザロ。その脇で未だ立ちつくしているザナ。 「初めて見た夢はなんだ」 沈黙に耐えかねたラザロがぽつりと少女に聞く。 「……え?」 「聞こえなかったか。魔術の才能は初めて見た夢が規定する……と言われている。別に誰かが証明したわけでもないが、経験上確度は高い。お前の覚えている最初の夢はなんだ」 魔術に関係する問いに、必死にザナは記憶を掘り返す。 「はい。多分……とても大きな丸い、青い球を見上げている夢」 「何?」 ラザロは少女を振り向く。目を閉じてザナは思い出しながら語る。 「とてもとても大きくて、ものすごく綺麗なんだ。球の表面に小さな小さな人や動物がへばりついていて……やがてその球はどこかに行ってしまう。真っ暗な中に私は残されるんだけど、また別の球が目の前に現れて。それは前とは違うんだけど、やっぱり凄く綺麗で表面にはいろんな生き物や城があって。幾つも幾つもそんな球が私の前に現れて消えていくんだ。赤っぽいのや緑色のもあったけど」 半ば呆然としてラザロは呟く。 「馬鹿な。“世界視”の夢だと?悪い冗談だ。どこでその話を聞いた?」 「へっ?」 目を見張る元導師に逆に驚くザナ。 「何ですか。その“世界視”って」 「まさか――塔の、」 言いかけたラザロ。聞きいるザナ。 その間を一本の鉄杭が飛び過ぎ、小男の像をぶち抜いて粉砕した。 「すっげぇ」 一発で破壊された銅像銅像を見て、思わず上機嫌につぶやく“追剥”。チビの学生から話を持ちかけられた時には半信半疑も良いところだったが、箱は聞いていた以上の性能だった。一発外したが、すかさず次の鉄杭が箱の中で装填される音がする。 今度はきっちりと当てようと……しかし、人影が二つだと?暗くてどっちが目標かよくわからん。あのガキは二人いるとは言っていなかったが。 ガキの言い分は明瞭だった。深夜、この広場にあの追放導師がやって来る。殺せ。死んだらアルコイリス・クロニクルに乗るだろうから確認したら報酬を払ってやる。大丈夫、必ずこの箱は元導師に致命傷を与える、それは間違いない……そういう話。 まあいいかと適当に人影の一つに狙いをつける。どっちも殺せばいいだけだ。別に人を死なせるのは初めてじゃない。殺人が好きな訳じゃないが、もうさほど嫌いでもない。部屋の生ゴミを片付けるのと同じ、ちょっと生理的に抵抗感のある仕事。それだけのことだ。 一方、圧倒的な力を振るうのは大好きだ。 追剥は迷うことなく引き金を引く。 腰かけていた木箱が木端微塵に粉砕された。鉄杭は圧倒的な速度で街路の敷石を砕いて地面に突き刺さる。噴き上げた破片が細かい傷を幾つも作る。 ラザロは気がつくと像の台座の影に引きずり込まれていた。ザナだ。 「何なんだアイツ!」 「知るか。俺だってわからんが、ヤツは俺の工具を持っている。クソッ、塔に敵がいるな」 「工具?アレが?」 化け物を見るような目でラザロを見るザナ。思わず悪いことをしたような気になって目をそらした。 「堅い岩盤や岩に杭を打ち込むための道具だ。工事などで役に立つと思って作ったんだ」 言い訳じみた説明をしてしまう。 「岩に突き刺さるって」 「そうだ……フ○ック!」 台座からザナを突き飛ばし、自分も反対側に転がるラザロ。一拍遅れて台座を貫通した鈍い輝きがラザロとザナのいた空間を引き裂いていく。脚だけ残っていた娼館主が高い音を立てて転がった。 「娘、そのまま消えろ!俺を狙っている」 舌打ちしながら叫んでラザロは広場から外につながる細い道に向かって走る。月明かりに身をさらす。ふざけおって。俺の工具を武器として扱い、よりによって俺に向けるだと? 塔の敵の姿を思う。誰だ。恨まれる覚えはないでもないが、命を狙われる覚えはさすがにない―――と考えるラザロの至近を通過する鉄色の風。数瞬して聞こえるやや遠い破壊音。細かい性能を思い出しどっと冷たい汗が噴き出す。五拍に一度、鉄杭が打ち出される。収納方式も工夫したせいで満載で三〇本鉄杭があの箱には入っている。なるほど武器だと自分の作品に呆れる。思っている間にもう一本、今度は脇を掠めて飛んでいく。 逃げ切れる。あと一発かわせば小道に逃げ込める。ラザロは頭の中で五を数えた。四まで数えた時になるべく急激に曲がる。自分の前を杭が通過する。避けた。 いや。今度の杭は地面を狙っていた。またふきあがる破片と衝撃に脚を掬われ、ラザロは地に叩きつけられる。昨夜同じ相手に痛めつけられた傷にまた激痛が走る。胸を強く打って呼吸が出来ない。だが、走らなければ永遠に呼吸できなくなることは確実だ。 立ち上がる。脚がもつれる。ゴミなど落ちている決して清潔とはいえない広場で無様に転がり、次の杭から身を隠そうとする。 耳を掠めるほどの至近距離を杭が通過し破片を撒き散らす。衝撃で一瞬意識が危なくなるが、唇を噛んで耐える。何故俺がこんな、と思いながらまだ安全な小道を求めて這うように立ち上がろうとした。できなかった。 「ゲームセットだな、おっさん」 月明かりの下を悠々と歩み寄る追剥の、昨夜脳裏に刻んだ顔。自分の力の興奮に顔を赤らめ、見たくもないやにや笑いを浮かべて舌舐めずりしている。左腕に自分の作った工具を据え付けている。胸には売れ残りの銅星のアミュレットがぶらぶらと元持ち主を囃すように揺れていた。 「ぐっ」 ローブの端が地面に杭で縫いとめられていた。深々と刺さった杭は抜けそうもない。こんなことなら導師制服なんぞ捨ててしまえば良かったと未練を恥じる。たった数歩の、しかし今のラザロには超えられない距離で箱を構える追剥。 「まあ動くなよ。変な所に当たってのたうつのはさすがに見たくねぇ。キモいからな」 勝手なことを言う追剥を睨みつけるしか今のラザロにはできない。本当に目から光線が打てるらなら打ちたいくらいだ、とこんな時に下らない記事が脳裏をかすめた。 死の実感などまるでない。こんなものか、という奇妙な驚きだけを感じている。 「誰の差し金だ」 「言うかよ。一応前金貰ってるんだぜ。報酬全部貰ったらこんな街出て行ってやる。もう虹なんぞ見飽きたからな。だからおっさん、死ねや」 追剥はラザロの頭にまっすぐ箱を向けている。引き金を引き絞る追剥の指を、ラザロは凍りついたように見ている。汚い指が曲がり、力がこもる。ふとその指が緩む。 「おっと。腹を撃つのがクライアントの要望……というか指定だったかな」 箱をラザロの腹に向ける。胃の腑を締め付けられる思いとともに、浮かびあがる一つの名前。 「“未来視”のレオか?」 「おっといけねぇ。まあいいけどよ、どうせ死ぬんだから。へえ、あのガキはレオってのか」 いい加減なことを言って笑う追剥。 ふざけるなという憤りと何故あいつがという疑問を抱え、ラザロは震える。ふざけるな。死んでたまるか。こんなゴミに殺されてたまるか。ラザロは無駄でも飛びかろうと覚悟を決めせせら笑う追剥の口元を睨む。 「なんだぁ?いいから死ねよ」 追剥が言うのとほぼ同時。 「『爆ぜる音、肉の筋、蒸発と圧壊』」 「あ?」 壊れた銅像の当たり、ひょろ長い娘が立っていた。まっすぐに手を追剥に向けて一度ラザロが早口で言っただけの呪文を口にし……いや、詠唱している。 「『鼓動と虚無と鎖骨と鋼、腸よりも……』」 「何だコラ、てめぇ何ぶっ呟いてやがる!」 身の危険を感じたのか箱をザナに向ける。よけようともせずに詠唱を続けるザナ。 「『長い死、かの者に至れ』!死ね!」 一瞬の沈黙。追剥は別に爆散する様子もなく、ただ一度「……えくしっ」とくしゃみをしただけ。そのおかげで放った鉄杭はザナを外れ夜空を撃ったのが唯一の効果。 「何が死ねだ。くしゃみさせる呪文かよ」 笑う追剥に横から「そうだ」と声がかかる。ほぼ同時にローブを脱ぎ捨てたラザロの拳が頬を撃つ。 「……んっがッ、何あがいてんだおっさん!」 身勝手な怒りの声をあげて掴みかかる導師を殴り返す。踏んできた喧嘩の場数がたちまちモノを言い突き飛ばされるラザロ。怒りにまかせて至近距離から杭を撃つ。 腹にくらって弾き飛ばされ倒れるラザロ。頬をさすりながら冷たく見つめる。 「まだ生きてんのか。しぶてぇ。きめぇ」 貫通こそしなかったものの、脇腹を深くえぐられている。内臓にまで脱する明らかな致命傷を受けながら、ラザロは腹を押さえて呻く。 「アホだなーあんた。無駄に苦しみやがって。ちょっと待ちな、あのクソアマ殺してからトドメ刺してやっから」 「ごほっ……アホはお前だ」 血を吐きながらラザロは嘲笑う。 「あ?」 何を言っているんだ?と純粋な疑問形で聞き返した追剥。その足元から白い霧があふれ出す。たちまち視界が真っ白に染まる。 「何だ……何だこりゃあ!おっさん、何しやがった!」 「愚か者は救えん。導師を……“親和の”ラザロを、致命傷ごときで倒したと思い込むのだからな」 手にした銅星のアミュレットを手に食い込むほどに握り締めてラザロは言う。 「何だよコレ!クソ!聞いてねぇぞ!魔術使えねぇんだろうが!」 霧を振り払おうと動く追剥。だがその追剥を追うように霧は移動し常に包み込む。白い霧の中から鉄杭が打ち出されるが、すでに方向を失った男の放つ鉄杭は地面を捉えるばかりだった。 むやみに飛ぶ鉄杭をかいくぐってザナがラザロに駆けよる。 「あれは」 「魔術ではない。以前に手懐けた獣だ。ガレアスよ、」ラザロの声に答えるように、霧の中から大人の腕程の爪が七本ちらりと外気に触れた。「そのバカ者を持って行っていいぞ」 ほんの数秒。おぞましい歓呼の唸り声とちぎれるような悲鳴、何かを砕く音が広場に響いた。 「アレが……アレが、言ってた遊び?」 数瞬の後。血だまりとごくわずかな残骸を残して異界の獣は消えた。残骸と言うのは髪の毛の固まりや砕かれた骨、中身の残ったブーツ等。それを見ながらザナは呆けたように聞いた。 「遊びだ。人を襲わせたのは初めてだが。しかし」 こみ上げる血にせき込む。我に帰ったザナが導師の傷を調べ、絶句する。 「……誰か呼んで来るから、」 立ちかけるザナの手を掴むラザロ。 「ふん。ぐっ……それでは間に合わんことくらい見ればわかるだろう」 「先生。それは」 「時間がない。良く聞け。導師は致命傷では死なん。回復魔術くらい用意しているものだからな」 「でも、魔術は使えないって……」 「お前がいる」 苦しそうに、だが揺れることなくザナを指差す。 「……無理だよ!そんな、わたし」 「黙れ。聞け。お前には才能がある。俺の言った呪文を一度聞いて使えたのだ」 「でも、あいつ爆ぜなかった」 「誰が本物の人体爆散術をあんなところで教えるか。アレはああいう呪文だ」生意気な学生にゆーっっくり詠唱してやってビビらせるためにラザロが書いた、詠唱だけおどろおどろしい呪文。 「お前はおそらく強い……最悪の素質を持っている。お前は“世界視”だ。俺が言う呪文を唱えろ。出来る」 「無理だよ。いきなりそんなの、だって、」 少女は涙を湛えておびえている。そのザマを見たラザロは手を放し、地面に横たわって目を閉じた。 「……先生?」 「先生と言うな。……消えろ」 ラザロは二度同じことを言うのは死ぬほど嫌いだ。魔術が必要な場面でおびえるヤツに魔術士の資格はない。そんな奴を励ますほどラザロに余裕はない。 死を待っているラザロに、手の置かれる感触が乗る。 「…………いいか。『純白よりも白き白、平地の甘き泉………』」 「弟子に、してくれますか」 詠唱よりも先に降ってきた言葉に思わず口の端が緩む。死にかけの魔術士に取引とは、良い根性をしている。 ラザロは血を流しながらうなずいた。 「……『純白よりも白き白、平地の甘き泉』」 「『高潔なるもの、卑劣なるもの、等しき死、遠き死……』」 「『高潔なるもの、卑劣なるもの、等しき死、遠き死』」 蜜月裏通りに、一組の魔術士師弟が誕生した。
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【元ネタ】インカ神話 【CLASS】ランサー→ランチャー 【マスター】 【真名】マンコ・カパック 【性別】男性 【身長・体重】185cm・75kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運A 宝具EX 【クラス別スキル】 対魔力:B(A) 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 陽光下においてはスキル効果が上昇する。 【固有スキル】 カリスマ:A 大軍団を指揮する天性の才能。 Aランクはおおよそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。 神性:A 太陽神インティと月の女神ママ・キジャの間に生まれた存在であるが、 父の命に従い地上で生きるためにその身を人間へと貶めているためランクダウンしている。 この神霊適正は神性がB以下の太陽神系、月神系の英霊に対して、高い防御力を発揮する。 魔力放出(炎):B(A+) 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。 ランチャーの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。 また、陽光下においては神格を限定的に再現し、スキル効果が上昇する。 黄金の太陽:EX ランチャーの太陽神としての高い神性を象徴するスキル。 陽光のバックアップを受けることで、その権能である再生・豊穣の一片をその身に宿す。 ランチャーの全パラメータが1ランクアップし、 陽光を魔力に変換することで、治癒能力・燃費が格段に向上する。 【宝具】 『天の矛鍵(タパク・ヤウリ)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:50人 父である太陽神インティから与えられた黄金の矛。 陽光を収束・増幅させ、レーザー光として照射する機能があるが、 その本質は最終兵器『虹神の威光(インティ・ウィパラ)』を起動させる鍵である。 『煌帝神殿(コリカンチャ)』 ランク:EX 種別:対陣宝具 レンジ:30~50 最大捕捉:500人 矛を地に突き立てる事で、ランチャーを中心に太陽の神殿を形成する。 空に太陽が現れていなくとも、この神殿の祭壇に祀られた黄金盤が放つ光が、 神殿内部を陽光下の様に照らし続ける。 更に内部は帝国の領土として扱われ、あらゆる知名度がランチャーに有利なものへと変更される。 侵入者の前には土塊より創造された数多の生命種が自動防衛機構として立ち塞がり、 神殿の最奥には最終兵器『虹神の威光(インティ・ウィパラ)』が安置されている。 【Weapon】 『虹神の威光(インティ・ウィパラ)』 神に選ばれた地である帝都クスコを護る最終兵器。 帝都防衛機構の要である、太陽神殿に鎮座する主砲。 虹の神でもあるとされるインティの神性を表す七色のレーザー光を照射する。 用途に応じて対国規模の拡散型、対城規模の一点照射の二種を使い分けることが出来る。 【解説】 インカ神話によるクスコ王国の初代国王。名は、「素晴らしき礎」という意味を持つ インカ帝国の初代皇帝とされるが、神話的な存在であり、実在性は疑問視する説もある。 太陽神インティの息子にして天の神パチャカマックの兄弟とされており、 自身は炎と太陽神として崇拝されたという神話がある。 太陽の神は彼とその兄弟たちをパカリタンボという洞窟からこの世に遣わした。 インティはタパク・ヤウリと呼ばれる金の杖を与え、その杖が地面に沈む地に 太陽の神殿を作るように指示した。 彼らは地下の洞窟を通ってクスコに行き、父インティを讃える神殿を建設した。 およそ40年間クスコ王国を統治し、法の規定を整備し、人身御供を廃止したと考えられている。 なお、インカ皇帝の称号が制定される前に統治していたため、 彼の称号は「カパック」(およそ将軍という意味か)である。 【イメージイラスト】 マンコ・カパック
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人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
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夏も終わりかけている。 だが得てしてこんな時期が一番暑く、人間やその他の市民も夏に飽いている。道を歩けばだらしなく木陰や店先で寝そべる半妖精の姿がそこかしこで見られ、火蜥蜴の飼い主はペットを地下に隠す。アルコイリスの晩夏はいつもそんな風だ。 蜜月通りでも、それに合わせて各店が冷たい酒だの涼を呼ぶ趣向を凝らして商売に余念がない。 表通りから少し外れた古い通り。古い道具屋や中古武器屋、老人相手の地味なカフェ、何故商売として成立しているのか不明な革紐屋などが並ぶ養骨通りでは喧噪も遠く、暑気をものともせずに走りまわる人間と異種族の子供の足音だけが良く響く。 虹の都市の中でも静かに過ぎて行く夏もある。が。 その一角、通りも半ばを過ぎた辺り、街路樹の木立の並ぶ一角。本来なら夏の静寂がひときわ物憂げな夏を彩っていたに違いない一軒の店。今はその店にはぎらぎらと毒々しい色に塗られた鉄の看板が大きく「親和する金属工房」と夏の日差しを照り返し、さらに魔化され自動でぐるぐる回るハンマーががっつんがっつんと看板を打ちならして店の所在を通行人に知らせている。良く見るとちょうどハンマーの激しくぶつかる場所には塔の査問委員に連なる導師達の顔が描かれ、何より雄弁に店の主人の人格を物語る。 静けさもけだるさも風情もぶち壊しである。隣の靴屋の老人は店の前に椅子を置いて街路樹の陰で涼むのが好きだったのに、かわいそうに今年は店の裏で狭苦しく涼を求めている。 そんな店にも客は時折来るようで、夏の日差しを背に人影が入口を開ける。金属板を連ねただけのチャイムが涼しげに鳴った。 作業革靴が木床を叩き、ごとんごとんと武骨な音を立てて来客が店内に歩を進める。鍛練を重ねたことが見て取れる長身の男が、興味深げに店内に一瞥をくれた。紙袋に包まれた長い荷物を抱えている。 店内はすっきりとした調度にいくつかの棚と卓が並び、金属製の製品とその図面が並ぶ卓が店の目的を饒舌に語る。その奥、カウンターの店番が「いらっしゃい」客に声をかける。 灰色の髪をした少女が書き物をしていた手を止めて来客のために立ち上がった。オリーブ色のジャケットに短いネクタイのギャルソンヌスタイルで、狭く古ぼけたカウンターを守っている。 「ここが、新しく出来たと言うアーティファクトの店で間違いないか。」 来客はそう念を押す。念を押さなければいけない程度には看板は妖しげだった。 「はい。“親和する金属”の店では金属具、魔具の製作を承っています。何かお探しですか」 「いや、俺は遣いだ。ウィドと言うが夕煌通りのグリューエンから荷物を届けに来た」 「はい……いつもは別の人が来てましたよね」 やや不思議そうに店番――ザナが問う。武具工房のグリューエンが扱う鋼の品質はちょっと他にはなく、何度か無理を言って武具を打つ前の素材を分けて貰っていた。何度か配達に来たのは、黄色い髪の若者だった。 「忘れものだ。まったく手間をかけさせる。」 口調はのどかで、怒っているようでもない。 「それは御苦労さまです。どうぞ、そこの卓に置いてください」 言われてウィドは片手で軽々と鋼の塊を音もさせずにそっと置く。力強く正確で、どこか優美な仕草だった。 「利き手を空けてるんですね」 ザナは変な所に感心する。手はカウンターの上で受け取りを記している。流暢な字だった。 「ああ。癖だな。」 言われて初めて気がついたように苦笑して書類を受け取り、もう一度店内を見渡した。 「ここにあるものは、全部アーティファクトなのか。ずいぶん色々とあるようだが。」 「そうです。店主のラザロ先生が設計し、私が魔化しました」 「君が?まだずいぶん若いようなのに。」 「いえいえ、まだまだ修行中の身です」口ではそう言いながらザナ腰に手を当てて胸を張る。「良かったら見て行って下さい。良い品ばかりですよ」 勧められて奇妙な形の魔具どもをいくつか見るともなく手に取るウィド。その手元をふんわりした白く丸い霧の塊がすりぬけて行った。 「おっと。これは?」 棚を跳び下りたふわふわした霧が来客の靴のまわりをぽんぽんと駆け回る。子犬のように元気な謎の霧を踏まないようにウィドは足をどけた。 「こらカレス!」 少女が叱ると、ちょろちょろと白い霧が少女の方に転がっていく。ちろりと白桃色のやわらかそうな小さな爪が霧からのぞく。 「失礼。魔術士はみな一匹のけものを飼っているものです。カレス、その林檎を食っていいぞ」 「ふうん。大した魔術士なんだ。」 褒められて実にわかりやすく得意げな顔。なるほど。看板こそ頭がおかしな感じがするが、面白い店が出来たのかもしれない。 と、来客が思った時だった。 「おいッ!なんだこの仕上げはッ!莫迦弟子、ちょっとこっちに来い!」 全てをぶち壊すどなり声が店の奥から聞こえて、言われた莫迦弟子は硬直する。 「……誰か呼んでいるようだね。」 「はて、誰のことでしょう」 ぎくしゃく誤魔化すザナの背中に噴火か何かのよな勢いで悪罵の声が降り注いだ。 「何をしている、さっさと来い!阿呆!貧民!ええい早くしろ!味音痴!犯罪傾向!カゲロウ!メイジブラスター!黒猫のしっぽ!灰色!小銭!死んだ海老!灰皿!黴チーズ!カゲロウ!」 「先生、今行きます」 しぶしぶ答えて、一転して死んだ目で「すみません、所用が出来ました。よろしければまた来てください。」 面白い店と言うよりはやはり奇妙な店だ、と評価を修正しつつウィドは店を後にした。まだ通りは暑気の沈滞昼下がりだった。 接客を済ませ店の戸に鍵をかけ地下の工房に続く細い階段を下りる。この店は作りは古いが地下がむやみに広く、ラザロは工房に使えるのでこの店を借りたのだった。大きな部屋が三つに小さな部屋が一つ、おそらく遺跡の一角を地下室に改装したのではないだろうか。 「死んだ海老が参りました」 「何が海老だ。ふざけているのか」 理不尽な罵声を浴びせ顎で製作台の上の金属塊を示す。工具やメモや金属の削りクズの溢れる机の上に、大振りな金属製の杖が置かれている。というか突き刺さっている。新作の、ラザロ本人が使用するための武具である。 「どうしました」 「俺が我慢ならないのは、作動しない機構が作動するふりをしていることだ」 「あ」 ザナは思い当たる。複雑なアーティファクトを魔化する際にはいくつかのパートに分けて個別に作業を行うが、どうもそのうち一つしっくりこないものがあった。強いて言うならば呪文手ごたえのようなものが無かった。後で調べようとは思って、そして結局忘れていた。 「作動テストをしてみたらこの様だ」 例えば他の機構は正常だがバランサーだけが作動しない、と言った場合に手から吹っ飛んでしまう。今回がまさにそれで、チェックをせずにいきなり実践使用したならば腕の一本も持って行かれれもおかしくなかった。 さすがにザナも胃が重くなる思いで頭を下げる。 「すみませんでした先生」 「せめて失敗するなら目に見えて失敗しろ。半端に機能するのが一番悪い」 「はい」 「まったく、池の金魚より愚かなやつだ」 その調子で5分ほど罵られる。罵られながら再度魔化を行う。やらかした失敗を思えばそれで済むならマシな方だ。 ラザロの弟子になってザナが学んだことは、師はヘマの重大さよりも過程を重視する。魔化が失敗するというのは比較的仕方ないことに属するらしい。 「まあ俺がやっても百回に一回はしくじることもある。問題は必ず一つづつチェックすることだ」 そう締めくくってラザロは杖を受け取る。 杖は極めて細くしなやかな金属の糸を複数、連続的に繰り出すギミックを搭載していた。以前に栗色の髪の少女に売った金属鞭を改良したもので、前方に肉でも鱗でも甲羅でもズタズタにしてしまう通過不能エリアを展開できる。爪でひっかくとかこん棒で殴るとか粘性の体で包み込むとか、とにかく近寄って何かする系の相手には絶大な威力を発揮するだろう、と設計したラザロは言う。 「ふん。今度はまともに動くようだな」 テスト用に買ってきた、ぼろぼろの皮鎧を着せた丸太を瞬時にチップ状になるまで解体し、ようやくラザロは満足した。 「これなら使えそうだ」 今までは武器の類は試みに設計、製造してきたにすぎないが、今回は危険地帯に持ち込み実際に使うためにラザロは設計し製造し、ザナが魔化したのだ。 「これで、遺跡に潜れますね」 「そうだな。だが、コレはあくまで俺の自衛用だ。遺跡で真に力を発揮するのはお前の魔術になるだろう、が」 疑わしそうに弟子を見るラザロ。ザナは必死かつ無駄に腕を振って実力をアピールする。 「それはもう大丈夫です。先生には鉤爪一本触れさせません」 「そうあってほしいものだ。言っておくがかなり危険だぞ」 遺跡には通常、前線を張る戦士や回復に長けた聖職者など多様な職種のつわもの共が相互支援をして挑む。それでさえしばしば重大な危機に陥る事があると言うのに、ラザロの計画では二人で遺跡に潜ることになっていた。魔術士二人、しかも魔術が使えないものとまったくの新人で遺跡に挑むなど通常なら無謀以外の何物でもない。 ザナは勢いだけは力強く頷く。“世界視”に関する資料がどうしても必要なのだ、と師は言う。それが遺跡にあることをラザロは知っている。“世界視”についての秘密を守るため、どうしても他の人間を関与させる訳にはいかない……ならば、ザナに異論はあるはずはない。それにラザロの立てる計画は一件無謀に見えても成算がないはずがない。ザナはそう信じ切っている。 「計画には万全を期したつもりだ。一つ二つのミスならなんとでもなるはずだが、偶然が重ならん保証はないぞ」 「遺跡じゃなくても危険はあります。私の半分の年で脾臓刺されて悶え死んだ子とかも知ってますし」 しれっと覚悟のほどを述べるザナに顔をしかめる師。 「たまに生々しいな。お前は殺伐とし過ぎてるきらいがある。例えば、お前を狙う敵がいたらどうする」 「殺します」 即答するザナ。まさにノータイムで殺意を口にする。 「俺を狙うやつがいたら」 「殺します」 「お前の魔術士の道を断とうとするものがいたら」 「殺します」 ラザロのため息。 「殺意があり過ぎだ。率直に言って“世界視”がそのような性根では、魔術を教えるにも躊躇う。もう少しまろやかに生きろ」 「あっ、やっぱりそうですよね。私も日々平和について考えているところです」 「殺すぞ」 「えっ」 弟子との会話の不毛さにまたラザロの深いため息。 「もういい。モラルについてはこのさい四半人前でかまわん。何にせよ早いうちに実力を身につけて貰わんことにはな。時間が無い、次の巡りの黄の日に遺跡に潜るぞ。準備をしておけ」 一人前の魔術士はどんなのだろう。何が違うのだろう。 ザナはあれこれ考えるがどうにもわからない。襲ってきたら倒す。間違っていないはずだ。大法典など良く知らないが、自衛ならおそらく罪にもならないだろう。少なくともこの街ではそうだ。 思い悩みながら蜜月裏通りのゴミゴミした街を歩く。すでに傾いた日は土を焼いたような淡い橙の色をしている。一日が終わる色合い。優しい色だとザナは思う。だが寂しい色だとも。 以前はそうは思わなかった。ザナの仕事は夜で、夕暮れはこれから夜の煌めきに変わる前兆のひと時だった。 夏の夕の空気はゆったりと甘い。肌に張り付くようにゆるゆると吹く風の中を人々がそれぞれに忙しげに歩いている。真昼の暑気から解放されてほっとしているようだった。 ザナは人とすれ違うたび手を挙げて挨拶をする。が、どういう訳か慣れたはずの住人はしばしば不審げな視線を返した。 以前は誰に手を挙げても挨拶を返された。貧民街とはいっても蜜月裏通りは完全に終わってる虹影とは違い、連帯がある。住人であれば挨拶を交わし、何かあれば駆け付ける。それが裏通りの気風だ。 何度か角を曲がった時、馴染んだユニオンの男を見かけた。またザナは手を挙げる。 「あ?」 「えっ」 不審げに睨むユニオンの男。調子に乗った観光客などに取る態度だ。しばらくして警戒を解く。 「なんだ偽酒売りか。気配が変わってたからわからなかったぞ」 「そうかな。それで挨拶が返ってこないのかな」 ややへこんでザナは問い返す。最近はラザロの用意したローブを着て出歩いている。本人に変わったつもりはないのだが。 「ああ。前は似合わない格好してやがるってだけだったが、なんか最近は中身もいけ好かない感じになった。前は安酒の匂いがしてたのに」けっと道の敷石の欠片を蹴る。 「なんだ。店の給金から付け届けもしているし、ユニオンに不義理は働いてないはずだ」 「いけ好かねえってだけだ。別にどうこうしようとは言ってない」 そんなことを言って、忙しそうに男は大通りの方に向かう。今でも男にとっては一日は今から始まるのだ。 そんなことを言われたよ。そう語りかけられて、ボロじいは作業の手を止める。 卓の上には淡く青色の付いた空き瓶が置かれている。中で稲妻がまたたく瓶は、傾ければどこからともなく酒が湧く。そういうモノを今作ろうとしていた。 偽酒を並べた棚にもたれかかるザナを見て、ボロじいは落ち着かない気分になる。久しぶりに顔を出したかと思えば、ずいぶん見違えた。 崩れかけの窓から差し込む夕日がザナの白いローブによく映える。伏し目がちに思い悩んでいる様子。そんな表情のザナをボロじいは初めて見た。怒るにも笑うにもわかりやすい娘だったが、今は一人前に憂い顔なんぞ作って。 「確かに変わったよ。今のお前はスラムの娘っ子と言うには、複雑すぎる」 「私が。そうかな」 口元だけで笑うザナ。それだ。前はそう言う笑い方はしなかった。塔に巣食ってるような、頭の中に怪物を飼っている連中の笑い方だ。ほんの春先までどこにでも転がってる娘っ子だったのに。 「ユニオンの若造の言うのも尤もだ。ここいらの連中はみんな安酒にはなじみがある。安酒の匂いがするやつは仲間ってことだ」 「今の私は仲間じゃないのかな」 「塔のお嬢さん連中」の、出来そこないみてぇだな。そう言いながらボロじいはまさに安酒を満たした杯を呷る。部屋の中にいると君が悪いとまでは言わないが、もう以前までのようにいるもいないも同じという訳にはいかない。 「お嬢さんか」 「見えないことはねぇよ、実際。なりたかったんだろ、魔術士。喜べよ」 「そうだね」 一つ頷いて、そのまま珍しいものでもあるみたいに部屋の中を見回すザナ。その様子に、老エルフはある種の予感のようなものを感じとる。ザナは本来は呆れるほど楽天的だ。ちょっと隔意を感じた程度、二歩歩いたら忘れるはずなのに。 「あのさ、ボロじい」 言いかけて、魔術士もどきは言いにくそうにまた黙る。 「辞めるんだろ。酒売り」 やや驚いたようにボロじいの方を向くザナ。 「うん。そう言おうと思って」 「あのラザロってやつに言われたのか」 「違う。そもそも先生は私が外で何やってるかなんて気にしないよ。そうじゃなくて」 「同時に二つの世界にはいられない、ってか」 「………うん」 ラザロから見れば魔術士のまがいもの。裏通りではもう仲間には見えなくて。それでもそのどちらかを選ぶしかないのなら、ザナは魔術士を目指す。いずれ本物になれると信じて。 ボロじいは手酌で杯に安葡萄酒を注ぐ。 「まあせいぜい頑張れよ。無理だったらまた来い」 淡泊な送別の言葉を送られて意外そうに「いいの?」 「売り子ならまたユニオンに紹介してもらえばいい。儂の酒は売れ筋だ。お前じゃなくたって食うにはこまらねぇ」 嘯く老エルフ。魔術士見習いの娘が机に歩み寄って尖った耳に囁く。 「ありがとう。きっといつか恩に報いる。誓うよ。私が大魔術士になったら若返りでも金儲けでも何でもしてあげる。本当に思ってるんだよ」 からから老人のしゃがれた笑い声が響く。 「要るかよ。お前が大魔術士になる頃にはさすがにくたばってるだろうさ」 「ボロじいが棺桶に詰まる前に立派になるよ。私、家族みたいに思ってる」 「殊勝なこった。そんな事が言えるガキだったのか」 「一生に一回だけだよ。多分」 身を引いて酒を呷る老エルフ。片手でもう一つ杯を出して酒を注ぐ。 「気を悪くすると思うが、あのラザロな、あいつに気を付けろ。ああ言う類の人間をまんざら知らないわけじゃないが、あいつらはまともな人間じゃない。塔の化物どもは何を犠牲にしても気にしないようなヤツだ。手元に何にも残らなくなるまで注ぎ込む」 かすかに笑うザナ。それが妙に儚げに見えてボロじいは寒気を感じる。 「先生は大丈夫だよ」 不思議で薄気味の悪い確信に満ちた言葉。 「ザナ、あいつはお前の親父にはならんぞ。お前のそれは尊敬とかじゃねぇ。執着っていうんだ」 「そうだね」安酒を飲んで、その熱に軽くむせる。しばらく酒も飲んでなかった。「わかってる。でも、先生は私を見捨てなかった。今はそれで十分だよ」 会話は少なく、杯を重ねるでもなく。また来るよ、と言ってザナはボロじいの家を辞した。嘘ではないとボロじいは思う。この後も何度かザナはこの家の戸を叩くだろう。そのたびに少しボロじいの酒を飲んで、いくらか話をするだろう。そして、ずっと先にはただの昔馴染みになる。幾たびも経験した別れ。死別などとは違う、曖昧で緩やかな別れ。 それでも別れには違いない。もうザナがボロじいを必要とすることはない。 静かになった部屋で何年ザナに“作品”を売らせていたか思い出そうとしたが、酒精で濁った頭では思い出せなかった。とにかくしばらくは前からだ。ずいぶん生意気なガキだと思った。世の中全てを斜め下から睨んでいるような。 その生意気なガキはもういない。別のものになろうと自分で決めた。それは志というのだろう。夢とも言える。はるか以前にはボロじいだって持っていたものだ。 そのために今後はボロじいではなく、あの塔の導師崩れに付いていく。 しばらく黙然と杯を眺めていたボロじいは、やがて「あの野郎!」と一声呻く。そして激情のままに壁に投げつけられた陶杯が砕けて葡萄色の飛沫を散らす。